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【監督・コーチ必見】試合に勝てる野球トレーニングメニューの作り方

2017.10.17

【監督・コーチ必見】試合に勝てる野球トレーニングメニューの作り方

  • 野球選手向けトレーニング

「試合当日に自分の能力を100%発揮したい」
これは、全てのスポーツ選手にとって共通の想いだと思います。

そこで今回は、大事な試合で力を発揮できるトレーニングメニューの作り方やピーキング、栄養の取り方などをご紹介したいと思います。

ピーキング知ってますか?

ピーキングとは、試合当日に選手が最高の能力を発揮できるように、トレーニング方法を変えていくこと。

身体やメンタルのコンディショニング調整はもちろん、栄養管理等との関連も重要となり、最も効果の現れる時期を試合日から逆算し、トレーニング開始時期を決めていくことが非常に重要となります。

例えば・・・

■(試合)6ヶ月〜2ヶ月前

「適切なウエイトトレーニング」と「十分な栄養を摂る為の食事」を組み合わせ、パフォーマンス(野球では、打撃、投球等)を最大値を引き上げるための準備期間です。
ある程度の高負荷(トレーニング量や扱う重量)を多少のリスクを負ってでも身体に負荷をかけてレベルアップを図る時期です。
ハードなトレーニングで万が一身体の不具合が生じても試合までに時間がたっぷりあるのでしっかり回復が出来るという保険がかかっている時期ともいえます。
具体的な野球のメニューであれば、ウエイトトレーニングや下半身強化の為のランニングメニューなどのトレーニングと合わせて、基礎的なノック・重いバットでの素振り・アメリカンノックなど野球の動きを取り入れたメニューがあげられます。

■(試合)2ヶ月前〜3週間前

たくさんの筋肉を身につけたところで、それを試合に発揮できなくてはなんの意味もありません。
そこで、今までに行っていたトレーニングの割合を落として、代わりに、「これまでに身に付けた筋力を最大限引き出すトレーニング」を多く取り入れてます。
例えば、プライオメトリックストレーニングといって、腰くらいの高さのボックスにジャンプして乗ったり、降りたりなど瞬間的に筋肉に負荷をかける事で筋肉の瞬発力を発揮するトレーニングを取り入れます。
具体的な野球のメニューであれば、ロングティー・ティー打撃・ポジション別、シートノックなど動きを反復するようなメニューがあげられます。

■(試合)3週間前〜前日

練習の多くはより実践を意識した「量ではなく質を意識したトレーニング」を取り入れます。
具体的的な野球のメニューであれば、ゲームノックやシート打撃・紅白戦といったより実践に近いメニューやサインプレーの確認など実践での動きの確認をするようなメニューがあげられます。

上記のようにトレーニングのプログラムに変化を加えて、試合にベストの調子で臨めるように、組んでいきます。
もちろん期間やプログラム内容は、競技やポジションに合わせて作成していくのがベストです。

ピーキング最終段階プログラム(試合3週間前)

試合の3週間ほど前からは、徐々に練習・トレーニングの量や頻度を減らし、量(頻度)ではなく質を意識した練習内容に変えていきます。
この過程はテーパリングと呼ばれています。

テーパリングについて詳しく知ろう

このテーパリングというものについて詳しく説明していきます。

例えば、自分が既に持っている能力が現在80だとすると、その80を100%発揮出来れば当然80。
試合当日まで期間があるオフシーズンには、積極的に高強度なメニューを取り入れ、能力値を高める事に努めることで、能力値が0.1..0.2…とレベルアップしていきますが、試合当日が近づくと疲労による影響も考えなくてはなりません。

疲労が溜まった状態では、本来の能力が発揮できませんので、70や60で試合当日を迎えることになり、非常にもったいないです。
それを避ける為に試合の2〜3週間前からは徐々にトレーニングの量や頻度を減らします。
このテーパリングにより、疲労による試合当日のパフォーマンスダウンの懸念が取り除かれ、試合当日により100%に近いパフォーマンスが期待できます。

トレーニングだけでなく栄養も大事!!

栄養知識と試合当日向けた食事(栄養)について

1.カロリー

よく皆さんが「カロリーが高いから太る〜!」、「これは0kcalだから太らない〜!」などと話しているカロリーについてお話します。
人間が口から摂取するカロリーは、たんぱく質、炭水化物(糖質)、脂質の3つ以外にカロリーになるものは存在しません。

ビタミンやミネラル、水などにはカロリーがありませんので、体重の増減に対してのカロリーコントロールには、たんぱく質、炭水化物(糖質)、脂質の3つを考えれば良いということになります。

PFCバランス

PFCバランスとは、たんぱく質、炭水化物(糖質)、脂質の「3つの頭文字」からなります。
1日の総摂取カロリーのうち、この3種をどの比率で摂取しているのかがポイントとなります。

アスリートではない一般の方の場合、タンパク質15~20%、脂肪20~30%、炭水化物50~65%が理想とされていますが、ハードに身体を動かすアスリート、減量をする人、増量をする人の場合、この数値は変わってきます。

次に上記3種の具体的な機能について紹介していきます。

(P)たんぱく質

筋肉や臓器、皮膚、髪、爪などを作る材料。また、免疫や酵素、循環系にまで関与するとても重要な働きを担っている栄養素です。

状況に応じてエネルギーにもなります。筋合成(筋肉を作る)、筋分解の抑制(筋肉の分解を抑える)に必要不可欠な成分です。
例)肉、魚、豆など

(F)脂質

主にエネルギーとして利用されますが、それ以外にも脂溶性ビタミンの吸収や細胞膜やホルモンの構成成分としても活躍しています。また、エネルギー源として身体に備蓄することができます。

ご存知の通り、摂り過ぎると身体は脂肪にとして蓄えはじめます。
例)油、肉や魚の脂など

(C)炭水化物

主にエネルギーとして利用されます。また、エネルギー源として身体に備蓄することができます。

ただし、これも極端に摂り過ぎると身体は脂肪として蓄えはじめます。
例)ごはん、パン、麺類、粉もの(お好み焼きなど)、お菓子、果物など

今の自分にどの栄養素が必要なの??

試合までに減量の必要がない競技と仮定して、今の自分にどの栄養素が必要なのかを考えてみます。

ハードな試合や練習、トレーニングをした際は、たくさんのエネルギーを消費し、それに伴い筋肉もダメージを受けます。
そのため、練習や試合の後には、消費したエネルギー(炭水化物や脂質)をしっかり確保する必要があります。
また、ダメージを受けた筋肉には修復する為の材料(たんぱく質)が必要になります。
これらをしっかりと確保しなければ、翌日以降の練習や試合に、エネルギー不足の身体、ダメージを受けて修復の出来ていない弱った筋肉で挑まなくてはなりません。
すると、自身のベストパフォーマンスが発揮できないどころか、弱った身体のため、正しく動作が出来ずに怪我の原因にもなり得ます。

ここで上記の3栄養素について試合や練習に向けて抑えておくべき大きな特徴があります。

エネルギー源である脂質は内臓脂肪や皮下脂肪として蓄えられます。
炭水化物(糖質)は筋肉や肝臓に蓄えておく事が出来ます。
対して、たんぱく質(分解の最終形態であるアミノ酸)は備蓄する事が出来ません。

前述した試合や練習、トレーニングでダメージを受けた筋肉は早急にたんぱく質による修復を求めます。
求めている際はすぐに与えてあげる必要があります。

たんぱく質(アミノ酸)は身体に溜めておく事ができないのでその都度、口から摂取しなくてはなりません。特にトレーニング直後や、朝の起床時は身体の中のアミノ酸濃度が下がると言われています。

1日を通して体内のアミノ酸量を高い水準でキープする為に食事はもちろん、プロテインやEAAやBCAAなどのサプリメントの活用も考えてみると良いでしょう。

そして、野球やサッカー、テニス、ランナーなどの練習や試合、トレーニングを通じてハードな動きを一定時間継続しなくてはいけない競技の選手は、身体の中に炭水化物(糖質)を身体の中に溜めておく必要があります。

上記の通り、この栄養素は体内に備蓄する事が可能です。
このことをカーボローディングといいますが、カーボローディングをすることで、エネルギー切れを起こしにくくなります。

このように、トレーニングだけでなく、必要なタイミングで必要な栄養を摂取することも競技力向上には欠かせない要素になります。
今では、スマートフォンのアプリを使って簡単に栄養摂取量を調べることができます。

ヘルスラボスポーツでトレーニングを行っている選手は、高校生になると選手自ら栄養摂取量を調べ、必要な対策を講じています。
決して難しいことではありません。

栄養管理をするための便利なアプリ

コンビニや飲食店の食品を簡単にカロリー計算ができるアプリが無料でたくさんあります!
その中でもヘルスラボでも使用しているおすすめアプリをご紹介!

My Fitness Pal

300万を超えるフードデータを抱える世界最大の栄養・カロリーデータベース!

MyFitnessPal公式ホームページ

まとめ

大事な試合に備えた「体力や技術の向上」だけでなく、「既に持っている能力を最大限に発揮できる準備」も重要な要素です。
その為には正しいトレーニングと合わせて、食事(栄養)にも気を使わなくてはなりません。
全ての要素をなるべく高い基準で当日の競技に挑めるよう、しっかり学んで、実践して、自分のやりやすい準備方法を見つけてください。

この記事を書いた人
房枝魁人

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