2017.06.16
周辺視野を広げるダブルボールリフトトレーニングの方法と注意点
2017.06.12
スポーツビジョン能力(視覚能力)を向上させたい、素早い判断力を身につけたいと思っても何をしたらよいかわからないという選手も多いと思います。
今回は、自宅でチームでも簡単にでき、楽しく競争もできる【ナンバータッチトレーニング】の方法を紹介していきます。
ナンバータッチトレーニングは、1〜20までの数字を順番にタッチする非常にシンプルなトレーニングで、どの年代でも行うことができます。
このトレーニングでは、眼球をしっかり動かすことで、眼の筋肉を鍛え、動きのコントロール能力を向上できるだけでなく、広い視野の確保や瞬間的に情報をキャッチする瞬間視など、複合的にスポーツビジョン能力を向上できるトレーニングです。
ナンバータッチトレーニングでは、様々なスポーツビジョン能力の向上が期待できます。
プレーの入り口となる「見る」能力を向上させ、素早く正確な判断ができる頭脳を手に入れよう!
眼球運動とは、素早く正確に視線を動かす能力のことです。
味方・相手・ボールが常に動く団体球技では、常に眼を動かし状況を把握する必要があります。
そのため眼が早く動き、正確に捉える能力が必要不可欠の要素になります。
周辺視野とは、移動または静止するものを見ると同時に周りの状況も目で捉える能力のことです。
簡単に言うと広い視野を確保する力。広範囲のものを目で捉えることができれば、周囲と自分の位置関係を把握するのに役立ち、スポーツ選手にとっては非常に重要な能力とされています。
瞬間視とは、一瞬のうちにできるだけ多くの情報を正確に把握する能力のことです。
味方・相手・ボールが常に動く団体球技では、刻々と変化する相手と味方の位置関係を瞬時に把握し的確に動くためにも、非常に重要な能力とされています。
眼で目標を確認し、それに対して的確に身体を動かすことができる能力のことです。
ボールを手や足、身体で正確にトラップしたり、コンタクトさせる競技では、非常に重要な能力とされています。
トレーニング方法をご紹介します。ぜひ実践してみてください。
1.数字マグネットシート
amazon等で300円〜500円前後で購入できます。
2.冷蔵庫(ホワイトボードやマグネットを貼り付けられるものであればOK)
トレーニング効果を高めるために、マグネットが貼れる大きめのスペースを見つけてください。
3.ストップウォッチ(スマホやキッチンタイマーでOK)
トレーニングする場所から手を伸ばしてタッチできる場所にセットしましょう。
数字はランダムに並べ、なるべく数字の場所を覚えないよう素早く貼り付けていきましょう。
親御さんやチームメイトと一緒にトレーニングを行う場合は、相手に数字を並べてもらい、トレーニングスタートする前は、背を向けて、数字の位置がわからないようにしましょう。
数字を20まで並べたら準備完了です。
トレーニングの成果を確認するため毎回ストップウォッチを使用して記録していこう!
両手を使って数字の1から順番に指で素早くタッチしていきます。
20までタッチしたらストップウォッチを止めましょう。
タイムを記録!
ヘルスラボスポーツでは、一回のトレーニングで5セット行い、5セットの平均をその日の記録としています。
これがナンバータッチトレーニング(基礎)のやり方です!
慣れてきたら応用編に挑戦しよう!
・20から1へと数字を追う順番を逆にする
・数字を25や30までに増やして行う
・数字マグネットの範囲を広げる
・奇数だけ、偶数だけをタッチする
・片手てタッチする
・片眼を瞑ってタッチする
ヘルスラボスポーツで測定したデータを基に10段階で作成してみました。
5回実施した平均値の一般水準は、レベル4〜5になります。
レベル10を目指してトレーニングしよう!
(レベル10)12秒未満
(レベル9)12秒〜13秒未満
(レベル8)13秒〜14秒未満
(レベル7)14秒〜17秒未満
(レベル6)17秒〜20秒未満
(レベル5)20〜23未満
(レベル4)23〜25秒未満
(レベル3)25秒〜27秒未満
(レベル2)27〜30秒未満
(レベル1)30秒以上
ヘルスラボスポーツで測定した選手の中でのナンバータッチ最高記録は、6.72秒です。(2017年6月5日現在。)
下記の動画は、最高記録保持者のトレーニング映像です。
常に10秒以下でタッチできます。
実際に行ってみると分かりますが、めちゃくちゃ速いです。
高速でタッチするためには、周辺視野、眼球運動、瞬間視、手と眼の協応、これらすべてのスポーツビジョン能力のレベルアップが必要です。
回数:5セット以上(1回のトレーニングにつき)
頻度:週3回以上
期間:3ヶ月以上
どのトレーニングにおいてもいえることですが、継続的に取り組まなければ期待する効果は得られません。
筋トレを1日やっても身体が大きくならないのと同様に、スポーツビジョンも継続することで少しずつ能力が上がっていきます。
3ヶ月目以降は、最低でも週に1回はトレーニングを行い、トレーニング効果を維持するように取り組んでみてください。
※トレーニング効果には、個人差があり、何ヶ月までという明確な基準が設定できないのが難しいところです。そのため、期間や回数などは一つの目安として考えてください。
ナンバータッチトレーニングは、直近の試合や公式戦で勝つためのトレーニングではありません。
しかしトレーニングを続けていくことで眼が速く動くようになり、広い視野を確保するコツがつかめてきたりして、「判断がはやくなった。」「周りの状況が落ち着いて見れるようになった。」と効果を実感できるようになってくるでしょう。
スポーツを行う方だけでなく、一般の方もぜひ行ってみてください!
スポーツビジョンやスポーツでの眼の役割についてのコラムはこちらから
スポーツビジョンを鍛えろ!スポーツにおける眼の役割と重要性
他のスポーツビジョントレーニングの方法はこちらから
地味だけど眼力アップ!親指フォーカスビジョントレーニングまとめ
伊藤 萌(Moe Ito)
1988年生まれ、東京都出身。主にスポーツビジョン研究及びPRを担当。
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