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投手に重要な肩甲骨の動きに関与する小胸筋のストレッチ方法と注意点

2017.06.29

投手に重要な肩甲骨の動きに関与する小胸筋のストレッチ方法と注意点

  • 野球選手向けストレッチ

小胸筋という筋肉をご存知ですか?
小胸筋は、野球選手、特に投手にとって重要な肩甲骨の運動に関与している筋肉ですが、あまり知られていません。
小胸筋が伸張性を失うとスムーズな肩甲骨の動きができなくなるため、日々のメンテナンスが重要になってきます。

今回は、肩甲骨の運動制御に関与している【小胸筋】のストレッチ方法と注意点をご紹介します。

■小胸筋とは

小胸筋は、胸郭の前面から肩甲骨をつなぐ唯一の筋肉です。

小胸筋の位置

小胸筋が短縮すると投球時に肩甲骨の動きを邪魔する

小胸筋の作用

投球時に肩甲骨は「上方回旋、後傾、外旋」といった3軸の動きが生じますが、小胸筋は「前傾、下方回旋、内旋」に作用します。
投球時の肩甲骨の動きと小胸筋の作用を比較すると小胸筋は拮抗(反対の動き)しており、肩甲骨の運動制御に関与していることがわかります。

小胸筋が短縮(筋肉が本来持つ伸びる能力を失っている状態)することにより可動域が制限されると、投球時に肩甲骨の前傾、下方回旋、内旋が増加し、肩甲骨の運動異常・位置異常の要因となります。

近年、肩甲骨の運動異常・位置異常は、肩関節の運動機能を悪化させる要因として注目されており、野球肩をはじめとした投球障害や投球フォーム不良につながる可能性があります。

投球障害、投球フォーム不良を未然に防ぐためには、毎日、肩後方のストレッチを行い、筋緊張を取り除いていくことが重要なのです。

小胸筋のストレッチ方法をご紹介

まずは動画をご覧ください!

小胸筋ストレッチ

頻度:毎日30秒3セット以上

①脇を100度に開き腕をしっかりと伸ばします。

小胸筋のストレッチ方法(スタート姿勢正面)

②壁に横向きで立ち、手の平を壁につけます。

小胸筋のストレッチ方法(スタート姿勢横向き)

②身体を前傾させ胸を開きましょう。

小胸筋のストレッチ方法(前方移動)

③限界まで開いたら30秒間キープしましょう。

小胸筋のストレッチ方法(限界まで負荷をかけた姿勢)

注意点

手の位置が低い。

手の位置が90度

肘が曲がっている。

肘が屈曲

まとめ

腕の角度一つで、伸ばしたい筋肉(小胸筋)にアプローチできない場合があります。
正しい姿勢を知り、日々のルーティンワークとして、ぜひチャレンジしてみてください。

関連コラム

小胸筋の短縮以外にも肩甲骨の運動異常・位置異常に関わる要因があります。
以下コラムを参考にトレーニングやストレッチをしてください。

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この記事を書いた人
大山翔平

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