2017.10.17
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2017.06.10
僧帽筋下部繊維は、投球・送球時に肩の土台となっている肩甲骨を安定させたり動かしたりする野球選手にとって重要な肩甲骨周囲筋の一つで、僧帽筋下部繊維の機能が低下ことすることで、肩甲骨の運動異常や位置異常がおこり、投球フォーム不良や野球肩につながるリスクが高まるとされており、定期的な評価と継続的なトレーニングを行うことが推奨されています。
今回は、【僧帽筋下部繊維(そうぼうきんかぶせんい)】の役割や2つのトレーニングの方法と注意点を紹介していきます。
僧帽筋は、首から背中のあたりにかけて大きくついている筋肉です。
大きい筋肉のため、上部繊維・中部繊維・下部繊維の3つに分類されますが、下部繊維は、下の方にある部分の筋肉のことを指します。
teamLab Body-3D Motion Human Anatomyより引用改変
投球・送球時、胸郭に肩甲骨を固定させ、安定させる役割を担っています。
肩甲骨は、肩関節の土台となっています。そのため、肩甲骨がグラグラと不安定の状態だと肩の安定性も失われてしまいます。
投球・送球時に肩甲骨は「上方回旋、後傾、外旋」といった3軸の動きが生じますが、僧帽筋下部繊維は「上方回旋、後傾」に作用します。
teamLab Body-3D Motion Human Anatomyより引用改変
肩甲骨が正しく動かなかったり、不安定な状態は、肩のインナーマッスルの筋出力を減少させ、過負荷を生じさせることになり、腱板損傷や腱板断裂といった野球肩(肩関節障害)の発症リスクを高めます。
僧帽筋下部繊維の筋力低下は、肩甲骨の運動異常・位置異常に関わり、肩関節の運動異常を悪化させる潜在的な要因でもあるのです。
うつ伏せになり、トレーニングする腕を斜め上(約120度)の位置に親指を上にした状態でセットします。
セットした状態から肘が曲がらないように注意しながら、真上に腕を上げていき限界まで上げたらゆっくり戻します。
この動作を30回繰り返します。
上から見ると・・・
上げる!
週3回以上(できれば毎日)、30回2セット(セット間の休憩1分間)行いましょう。
肘が曲がっている。
身体ごと腕を持ち上げたり、身体をひねってしまう。
簡単なトレーニングですが、悪いフォームのままトレーニングを行なっても、成果が望めません。
特に筋力が低下していたり、疲れてくるとフォームが崩れてきます。
無理やり腕をあげようとせず、正しいフォームをキープできる範囲でトレーニングしましょう!
チューブは高級な物ではなくても、100円ショップ等で購入出来る物でOKです!
負荷を掛けるためにチューブは二つ折りにし、両手を上にあげ、チューブが緩まないよう外側に引っ張ります。
肘を真下に引くように腕を下ろしていきます。
引ける限界まで真下に引きましょう。
最初の位置に戻します。
この動作を約30回繰り返していきます。
トレーニング初期は、正しいフォームを身につけるため、タイマーは使用せず、肩甲骨を身体の内側に寄せることを意識して実施してください。
慣れて来たら1回のトレーニング3分間タイマーをかけて行なってください。
週3回以上(できれば毎日)、30回3セット(セット間の休憩1分間)行いましょう。
スタートポジションでチューブが緩んでいる。
腕を降ろす際にチューブが緩んでいる
チューブが1番下に来た時に脇が閉じている。
正しいフォームを意識して行いましょう!
まず、1つ目の道具を使わないトレーニングを投球腕と非投球腕ともに行ってみてください。
投球腕の方が、動かしづらい、疲れやすい、上にあげられない、フォームが崩れやすいなどがあれば、筋力低下がおきている可能性があります。
また、この動作で、痛みがでるようでしたら、一度、病院にて診断をうけることをおススメします。
僧帽筋下部繊維のトレーニングを2つご紹介しましたが、1つ目の道具を使わないトレーニングの方が鍛えている感触を掴みやすいです。
高負荷をかけないトレーニングですので、小学生年代でも行うことができます。
野球肩のリハビリや投球障害予防、パフォーマンス向上のために、ぜひ、チャレンジしてください!
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酒井貴司(Takashi Sakai)
柔道整復師。1988年生まれ、山形県出身。専門分野は、野球選手・バスケットボール選手・ハンドボール選手のコンディショニングとパフォーマンスの改善を担当。テクノロジーを活用したデータ分析で、選手のトータルサポートを行う。
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