2017.10.17
【監督・コーチ必見】試合に勝てる野球トレーニングメニューの作り方
2016.12.23
「肩のインナーマッスル」、野球をやっている方なら一度は耳にしたことがあると思います。
肩のインナーマッスルは、医学的には、ローテーターカフや腱板(回旋筋腱板)と呼ばれています。
今回は野球で重要な「肩のインナーマッスル」の役割についてとトレーニング方法をご紹介します。
まず肩のインナーマッスルは、1つの筋肉のことではなく、4つの小さな筋肉(棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋)から構成されています。
筋肉のチーム名のようなものと思えば分かりやすいですね!
肩関節は、ヒトの関節の中で最もよく動く関節です。
よく動くということは逆に不安定にもなりやすい関節とも言えます。
この不安定になりやすい肩を安定させる役割を担っているのが、肩のインナーマッスルです。
4つの筋肉は、それぞれ役割を持っていますが、バランスよく力を出し合うことにより、不安定な肩関節の安定させ、投球時にスムーズに肩の動くように働いています。
投球は、腕を使って身体を回転させながら投げるため、どうしても肩の前方にストレスがかかってしまい、肩関節を構成する靭帯が引き伸ばされ、緩みやすくなり、肩のインナーマッスルに加わるストレスも増大していきます。
さらに、投げすぎによって肩のインナーマッスルが疲労を起こしたり、投球フォーム不良によって肩にかかるストレスがより大きくなると、肩を支える力も弱くなり、グラグラと不安定な状態になってしまいます。
肩関節が不安定な状態では、腕を上げづらく、いわゆる「肘下がり」と言われる投球動作になりやすくなります。
肩が不安定な状態が続いたまま、気づかずに投球を繰り返し行っていると、投げたときに、肩の関節に筋肉や腱などが挟みこまれたような状態になり、痛みが生じるようになります。
この負のサイクルが結果として、腱板損傷など野球肩と呼ばれる怪我につながっていきます。
肩関節を安定させることです。
投球動作で腕が肩甲骨から抜けないように安定させる役割を担っています。
その他の役割を個々にご紹介します!
棘上筋は、ローテーターカフの中でも投球でもっとも痛めやすい筋肉です。
teamLab Body-3D Motion Human Anatomy-
腕を横から上にあげるときに、最初の約30度までを担当しています。
※ちなみに30度以降はアウターマッスルの三角筋が担当しています。
棘上筋は、ローテーターカフの中で棘上筋の次に投球で痛めやすい筋肉です。
teamLab Body-3D Motion Human Anatomy-
小円筋と協力して、腕を外に開く動作を担当しています。
棘下筋は写真のように腕を下ろした状態でより活動すると言われています。
ちなみにこの腕を背中側に引く動作はアウターマッスルの三角筋(後部)や広背筋なども関与します。
肩関節を内旋させる役割をするので内旋筋と呼ばれます。
teamLab Body-3D Motion Human Anatomy-
肩甲下筋は、棘下筋や小円筋と反対の動きをする筋肉です。
腕の角度に関係なく、様々な角度で関与すると言われています。
アウターマッスルの三角筋(前部)や大胸筋も関与しますが、肩甲下筋もその動きに協力すると言われています。
しかし、肩甲下筋の大きな作用は内旋なので、そこまで多くは関与しないと言われています。
棘下筋と同じく、肩関節を外旋させる役割をするので外旋筋と呼ばれます。
teamLab Body-3D Motion Human Anatomy-
(例1)
(例2)
棘下筋と協力して、腕を外に開く動作を担当しています。
小円筋は様々な角度での外旋に関与しますが、肘を伸ばしている時や肘を上げている時はより役割が大きくなると言われています。
肩のインナーマッスルを強くするためには、4つの筋肉を個別に鍛える必要があります。
また、野球肩の予防のために、定期的に、肩のインナーマッスルの機能が低下していないか(筋力が低下していないか)、機能低下している場合は、どこの筋肉なのか?調べ、機能低下した部位を鍛えて肩関節を安定させる必要があります。
肩のインナーマッスルトレーニングの方法はこちら
肩を強くしたい野球選手のための棘上筋トレーニングの方法と注意点
肩を強くしたい野球選手のための棘下筋トレーニングの方法と注意点
肩を強くしたい野球選手のための肩甲下筋トレーニングの方法と注意点
肩を強くしたい野球選手のための小円筋トレーニングの方法と注意点
肩が痛いときに行うセルフチェック方法はこちら
野球で肩が痛いときに絶対やるべき4つのセルフチェック
肩のインナーマッスルは、肩甲骨から出てくる筋肉であり、土台となる肩甲骨が不安定な状態だとうまく鍛えることはできません。
そのため、肩甲骨周囲筋(前鋸筋や僧帽筋下部繊維といった肩甲骨を安定させたり動かす役割をもつ筋肉)を改善し、肩甲骨が安定してから肩のインナーマッスルの機能改善を図る必要があります。
肩甲骨周囲筋のトレーニング方法はこちら
投球時に肩甲骨を安定させる前鋸筋の役割と2つのトレーニング方法
投球時に肩甲骨を安定させる僧帽筋下部繊維の役割とトレーニング方法
肩のインナーマッスルトレーニングは、痛めてから行うリハビリのイメージを多くの選手が持っていますが、痛めてからでは遅いです。
また、痛めやすい棘上筋と棘下筋だけ行っている選手も多いですが、4つの筋肉を一つのユニットとして考え、トレーニングしてみてください。
インナーマッスルのトレーニングを日々の日課にして、肩を守り、楽しい野球人生を過ごそう!
山内昌也(Masaya Yamauchi)
柔道整復師。1991年生まれ、沖縄県出身。専門分野は、野球選手の投球障害はじめとしたコンディショニングと投球動作・打撃動作の分析とトレーニング指導。自身の経験値とテクノロジーを活用したデータ分析で、選手のトータルサポートを行う。
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