2016.11.26
野球で肩が痛いときに絶対やるべき4つのセルフチェック
- 野球肩・野球肘セルフチェック方法
野球の練習中や試合中、ボールを投げたとき等に肩が痛くなると不安になりますよね。
不安になったときや、すぐに病院にいけないときにその場でチェックできる4つのセルフチェック方法をご紹介します!
今回チェックするのは、肩のインナーマッスルと呼ばれる棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋の4つの筋肉です。
これらの4つの筋肉は、ローテーターカフ、または腱板(回旋腱板)とも呼ばれています。
肩のインナーマッスルは、肩が緩んだり腕が抜けないように肩の安定性を保つだけでなく、様々な肩の動きを作りだす投球動作において1番大事な筋肉です。
選手・コーチはもちろん、保護者にとっても簡単なセルフチェックですので投球動作で肩に痛みを感じたらお試しください。
4つのテストで必要なものは「壁」だけです!
それではセルフチェックを行いましょう!
まずは動画で
1分間で4つのセルフチェックが行えます!投球動作で肩に痛みを感じたらすぐにチェックしましょう!
4つのセルフチェックの方法とポイントを写真でまとめました
1.棘上筋(きょくじょうきん)チェック
投球障害の中で最も痛めやすい筋肉は棘上筋です。ボールを投げる為に肩を挙げる動作をすると棘上筋が骨にぶつかり、これを繰り返すことで痛めやすいと言われています。
まず真っ直ぐ立ちましょう。
横から見ても真っ直ぐです。
投球腕の手の平を正面に向けます。
手の平を正面に向けたまま、肘を伸ばした手をポケットに入れます。
そして脇を開く動作をします。
【POINT】斜め前に腕を動かす意識で行いましょう!
この動作で痛みが出た場合・・・ボールを投げた時に腕が肩から外れないように上部から止めている『棘上筋』が損傷している可能性があります。
【OK】正しいフォーム
実際のチェックは、ポケットの中に手を入れながら行いますが下記のように動かす意識で行なってください。
斜め前に腕を動かす。
横から見ると斜め前に動かしているのがよくわかりますね。
【NG】悪いフォーム
真横に腕を動かす。
斜め後ろに腕を動かす。
正しいフォームを意識して行いましょう!
2.棘下筋(きょくかきん)チェック
棘上筋の次に痛めやすい筋肉は棘下筋です。
まず真っ直ぐ立ちましょう。
横から見ても真っ直ぐです。
投球側の手の甲を正面に向けます。
手の甲を正面に向けたまま、肘を伸ばした手をポケットに入れ、脇を開く動作をします。
【POINT】斜め前に腕を動かす意識で行いましょう!
この動作で痛みが出た場合・・・ボールを投げる時に腕が肩から外れないように真ん中で止めている『棘下筋』が損傷している可能性があります。
【OK】正しいフォーム
実際のチェックは、ポケットの中に手を入れながら行いますが下記のように動かす意識で行なってください。
斜め前に腕を動かす。
横から見ると斜め前に動かしているのがよくわかりますね。
【NG】悪い例
真横に腕を動かす。
斜め後ろに腕を動かす。
正しいフォームを意識して行いましょう!
3.小円筋(しょうえんきん)チェック
まず真っ直ぐ立ちましょう。
横から見ても真っ直ぐです。
脇をしっかり締めたまま、投球腕側の肘を90度に曲げましょう。
はい、横から見ても90度。
壁に手をそえられるように、壁の横に立ちます。
脇を締めたまま、手の甲で壁を押しましょう。
【POINT】肘が身体から離れてしまわないように!
この動作で痛みが出た場合・・・ボールを投げる時に腕が肩から外れないように下部から止めている『小円筋』が損傷している可能性があります。
【OK】正しいフォーム
実際のチェックは、壁を押す動作ですが下記のように動かす意識で行なってください。
【NG】悪い例
肘が身体から離れてしまう。
正しいフォームを意識して行いましょう!
4.肩甲下筋(けんこうかきん)チェック
まず投球腕の手の甲を腰につけます。
正面から見るとこんな感じ。
壁に寄りかかり、壁を腕で押し身体を起こしましょう。
【POINT】腰から下が三角形になるように、壁とかかとを離しましょう!
壁を押してます!!
はい、身体を起こせました!!
この動作で痛みが出た場合・・・ボールを投げる時に腕が肩から外れないように肩甲骨の裏から止めている『肩甲下筋』が損傷している可能性があります。
【NG】悪い例
かかとが壁から離れていない。
正しいフォームを意識して行いましょう!
まとめ
投球側の肩のチェックではありますが、グラブ側の肩も合わせてチェックを行い、左右の違いを体感することで、力の入り具合や違和感を見つけることができる可能性がありますので、実施してみてください。
4つのセルフチェックのうち1つでも該当すれば野球肩の危険信号!
特にセルフチェックで電気が走るような強い痛みが出た場合は、断裂や重い症状の可能性もあるので、整形外科またはスポーツドクターがいる病院をすぐに受診してください。
また、筋肉は、レントゲン撮影には映らないのでMRI撮影が出来る病院を選ぶことをおすすめします。
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酒井貴司(Takashi Sakai)
柔道整復師。1988年生まれ、山形県出身。専門分野は、野球選手・バスケットボール選手・ハンドボール選手のコンディショニングとパフォーマンスの改善を担当。テクノロジーを活用したデータ分析で、選手のトータルサポートを行う。